横国軽音の日常

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FRACTAL AUDIO SYSTEMS YNU支部 第5回 AMPブロック③ クランチ編

 お久しぶりです。なんか思ってたより皆さん楽しみにしててくれてたみたいで、嬉しいです。放置しててほんとすみません。


 さて、前回書いた時よりもはるかに音作りのこだわりが深まりました。色々気をつけてることはあったつもりなのですが、さらに勉強してより深まったと思います。


ということで、今回はクランチについてなのですが。


なんとなく、クリーン、クランチ、ディストーションっていう三段階の分類があるテイで話したいと思います。

音の話をするのに、文で話すとあまりわかって貰えない気もしてきたので、今回は目指したい音の例を挙げたいと思います。

皆さんあまりご存知ではないかもしれませんが、

G.O.A.T./Polyphia
https://youtu.be/9_gkpYORQLU

この曲で行きましょう。

 ここで小言を挟みたいのですが、エフェクターの一つ一つを分けて考えるのではなく、それぞれのエフェクターの影響を重ね合わせて、ひとつのプリセットひとまとまりで音を考えるスタイルになってしまったため、AMPブロックだけの話をするのは少々難しいことに気づいてしまいました。そのため、少し帯域処理の話も混ぜていきたいと思います。

 ではまずは、この曲で使われている音の特徴について。

・クリーンとも歪みとも言えない音
・輪郭は歪みではあるものの、芯の残り方はクリーン
・強く弾くと歪み、優しくひくとじんわりとしたクリーン

 いわゆるクランチなのではないかと、個人的には思います。

 また独り言なんですけど、ポリフィアって「いい音」のひとつの解を示しつつ、個性を確立していてほんとに好きなんですよね。出来上がった音をこのまま使っちゃうと、歌食っちゃうのであんま参考にならないかもしれないんですけど。いい音出来たら、あとはEQで削って潜らせればいいと思います。

では、作り方。

 至ってシンプルな特徴でありつつ、上に記したものを再現するのは結構気を使います。

 要は、細くないクランチを作りたいわけなのですが、まずはアンプを選びます。

 今回の場合だと、マーシャルのCh.1の赤、もしくはCh.2の緑。ケトナーのCh.2(3chアンプなら真ん中)を使っていきたいと思います。

 AX8のお持ちの方は、Matchlessなんかがとてもリッチな音がしていいですね。低出力アンプを少し無理させた歪みの感じによって生じる程よい太さと中高域のギラつきがとてもよいです。

○Gainについて
 強く弾いたら歪むくらい、思ってるより少なめで大丈夫だと思います。出力次第ですけど9時前後が悪くなかったり。

 大概クランチを使う時ってカッティングとかが多いと思うんですけど、強く弾くと歪んで弱く弾くとクリーンに近付くくらいに設定するとアクセントが出やすい、かつ、出るように練習することになるので、技術の向上にも繋がります。アルペジオを弾いてもコードの分離感が残るため、美味しい音に仕上がります。


○EQについて
 クランチの要素を帯域ごとに並べたいと思います。

BASS
 音の太さ

Lo MID
 BASSと同じく太さ

Hi MID
 音の抜けと音色のキャラクター

TREBLE
 音のキャラクター

 ギターの抜けはトレブルではなく、ミドルでコントロール、特にハイミッドにかかっています。(個人的見解)ミドルって本当に深くて、2分割でも足りないくらい、細かく調整すると音が化けます。太さもベースで出すのではなく、ミドル、特にローミッドのコントロールで調整します。

 アンプなどの帯域を分割されたイコライザーは、帯域を一定の周波数幅で直線的にそのまま音量を上げるのではなく、帯域のピークを設定してそこを持ち上げながら他が付いてくる曲線を描くように各成分の音量が変化します。そのため、ベースの高域とミドルの低域、ミドルの高域とトレブルの低域は重なり合うことを意識していきたいと思います。

 ギターは本体の特性で本当に音が違うため、耳で聞こえるものを頼りに作っていきます。特徴は四分割で書きましたが、ツマミについては3分割で書きます。

BASS
 細くなりすぎない程度に下げます。弾く時にゴンゴン部屋が揺れるような音は、非常に弾きづらい音になるため、それを先ずは防ぎつつ、音が細くなりすぎないようにします。

MIDDLE
 音の抜けを意識しつつ、音が硬くなりすぎないように上げていきます。
 基本的にミドルは高めでいいと思います。ローミッドの太さ、ハイミッドの抜けを意識し、かつ、強く弾いた時の歪みの輪郭がチリチリとした音になることもすこし意識します。

TREBLE
 耳が痛くない音をすることを前提として下げ目にしますが、あげれるとこまでは持ちあげます。輪郭のチリチリ感、音の飽和感を意識して痛くないギリギリまで上げていくイメージです。

 以上のことを意識すると、弾きやすいクランチのイコライジングが出来ると思います。

 歌モノで使う時はミドルと下げてあげて、バランスを変えてあげると良いと思います。

今回も読んでいただ気ありがとうございました。また、書きたいことが出来たら書きたいと思います。リクエストもお待ちしてます。

ありがとうございまs..........

 

 

 

さーて、本題‼️

 それでは、G.O.A.T.の方を詰めていきたいと思います。

①アンプを選んだ段階で、CABブロック(キャビネットシミュレータ)を選択します。僕がお気に入りなのはGerman。ドイツしか勝たん、最凶アンプENGLを生み出した最強の国です。ありがとうヨーロッパ。CABブロックで一旦ローカットを150~180位で入れます。また、この段階でGATEブロックをAMPの後段に入れます。キャラクター次第でかかり具合をいじります。キレを出したければスレッショルドは高めに。音色をキープしたければ低めに。

②とりあえず、上に書いた感じでAMPブロックを調整します。ミドル命。デプスは基本ゼロスタート。アバウトにローを持ち上げたい時に少しあげます。プレゼンス、ハイカット系はキャラクターを損なわない程度に下げます。ここの軽いハイカットによって、トレブルを上げられるため耳が痛くないのにギラつきを出したり抜ける音を作れることに繋がります。あとは、プリアンプ部およびパワーアンプ部の真空管を設定し、ネガティブフィードバック値を調整してロー周りとハイ周りの雰囲気を決めます。結構マーシャル系アンプよりフェンダー系が好み。その辺が好きな人は是非知識ください。

③この段階で、最後部に帯域フィルターをかけます。僕はローカットを120~180Hzの間でかけています。太さしだいでいじります。後は暴れさせたい時にはもう少し低めの100Hz、バッサリ落としたい時は200Hz付近までばっさり音します。これについても、曲線的になめらかに落ちていくため、割と高めでも平気な印象です。ハイカットも入れます。大体10kHz、音色のギラつきを強調したい時は12~13Hzくらいでカットします。基本20kHzくらいまで可聴音域はあるらしいんですけど、そもそもバンドでギターの10kHz以上はあってもうるさいので、結構ガッツリかけてます。

④AMPブロックにあるGEQ(10バンドグラフィックイコライザー)をいじります。

 基本ここでも30とか60Hzは要らないのでもうガッツリ下げてます。

 125、250あたりは太さとゴンゴン鳴るところに関わるので、太さを意識しつつ、モコモコしないように上げ下げします。色々試していい所を見つけます。太さを出せるところまであげるイメージ、もしくは、ブンブンとかゴンゴンしないように下げるイメージです。 
 
 低域をなめらかに右肩上がりでせっていしたら500,1kでミドルの質感をいじります。インストだと上げ目。ピックの当たった感じを意識して音の芯を出すイメージ。そんなに上げすぎないけど、GEQのピークに持っていく感じです。

 2k、4kはピッキングの質感、キリキリとしたノイズを出すかとか、歪みのギラつき、チリチリ感、いわゆるキャラクターの特に目立つ部分を調整します。G.O.A.T.だったらちょい上げ。静かめななめらかクランチにしたかったら下げると落ち着いたりします。

 8k、16kは音の明るさを調整している印象ですが、気持ち程度。うるさかったら落としますが、落としすぎると音色が変わってしまうため、ほぼいじりません。

2k以上はなめらかに下げていく。山型にして、端の落とし具合は音色のターゲット次第。レンジ感広めにするのか、狭い帯域を狙うのかで、結構強気にかけていいと思います。

あとは、いじってきた所をグルグル。ひたすら。○○したいから△△をいじるか、っていずれなります。みんながそうなった世界戦の軽音楽部俺は見たくないな。怖いから。

 セオリーもほどほどに描きたいことひたすら並べる意味わからん文になってしまった。これで誰か単位くれ。音響学科作ってクレメンス。あんまり上げるなプレゼンス。

 基本的に引き算、EQは12時スタート。なんて教わった頃に戻りたいです。でも煮詰めるのもまた楽しい。

 次回何編になるんだろう。たぶんメタルやりたい人なんてこれ読んでないからクランチとクリーンさえ作れればその応用で歪みは作れるし、ディレイとかリバーブは語るほどほってないでやんすね。また書きたいことあったら、書きます。リクエストお待ちしてます。

 ポリフィアレシピの概要話して終わってしまいました。具体的な数値書いてもAZとAX8ありきなので、しょうもないですからね。何から何まで帯域特性は違うからアンプのEQとかGainのツマミを○時って表現するのは、バランスをなんとなーーーく感じる目的以外にはアテにしない方がいいと思います。

 まとめとしては、カットをすることでよりターゲットを絞って帯域処理ができると言ったことでしょうか。分かりません。ダラダラ長文失礼しました。

美味しいお肉食べたいな。

Have a nice tone...👋

 

 

執筆:部長

文責:発地