横国軽音の日常

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「自分の好きな音楽」vol.4

今回のテーマは、好きな音楽、だそうです。だいぶ抽象的、よく言えば自由度の高いテーマですね。前のブログが好評だったから、飄々としたのらりくらりとした文章を適当に書こうと思っていたわけです。昨日までは。

 

しかし昨日(ここを書いている時点では少なくとも昨日です)、ねぎとむ先輩がドリームシアターについて語る長文が公開されました。すごい熱さ。やばすぎる分量。素晴らしい文章。さあどうしよう。適当な文章じゃ世間は許してくれません。交代制のブログというものは、トップバッターである程度の方向性が決まるのだなと思いました。お笑いのM-1グランプリと同じですね。去年のM1グランプリのトップバッターのインディアンス、良かったよね。適当にやってるようにも見えるのに圧倒的な技術があってめちゃくちゃ面白い。あんなふうになりたいものです。

 

話がそれました。そろそろ本題に入るとしましょう。好きな音楽についてですね。僕が今日お話ししたいのは、SEKAI NO OWARIについてです。僕の音楽についてのあらゆるバージンを奪ったバンドです。CDを買ったのも、DVDを買ったのも,ライブに行ったのも、バンドスコアを買ったのも、ギターで練習したのも、全部セカオワが初めて。よく考えたら割とすごいね。

 

さて、そのセカオワについてです。細かく色々と書くほどの文章力は僕にはないので、セカオワのことを大雑把にでも理解できるように書いてみたいと思います。何かのことを理解するのに1番手っ取り早いのは、そのもののターニングポイントに注目することだと思うので、セカオワのターニングポイントについて考えていきましょう。

 

セカオワのターニングポイントになった曲とはなんでしょうか。本人たちがどう考えるかは別として、多くの人はRPGを挙げるのではないでしょうか。この曲でセカオワを知ったという人も多いでしょう。と言うことで本日はこの曲について。

 

RPG。この曲をターニングポイントだと思う理由は、このあたりで曲調が大きく変わるから。これ以前に発売されたCDであるアルバムEARTH、ENTERTAINMENTはダークな歌詞やメロディがところどころ出てくるのですが、RPGより後に出たCDであるスノーマジックファンタジー炎と森のカーニバルなどは明るくファンタジーなメロディ、歌詞が多いのです。もちろん、共に例外はありますが、多くの人はRPGの辺りで変化があった,と考えています。さて、その歌詞に注目してみましょう。

 

RPG/SEKAI NO OWARI

作詞 FukaseSaori

 

『大切な何かが壊れたあの夜に

僕は星を探して一人で歩いていた』

『「方法」という悪魔にとり憑かれないで

「目的」という大事なものを思い出して』

 

何か失敗したことを示唆する歌詞。希望を目指してただ一人で寂しく進んでいるのでしょうか。でもその失敗について、「目的」という大切なもののためには「方法」にとらわれるのはよくない、と。

 

『空は青く澄み渡り 海を目指して歩く

怖いものなんてない 僕らはもう1人じゃない

空は青く澄み渡り 海を目指して歩く

怖くても大丈夫 僕らはもう一人じゃない』

 

この「僕ら」が示唆するものは、団体としての「僕ら」ではなく、一人ひとりのことだと僕は思います。最初聴いた時は、『「僕ら」って言ってるんだからそもそも一人じゃないじゃん!」って思ったんですけど、改めて考えてみるとそう思いました。皆さんが当たり前に思ってたことだったらごめんね。僕も私も君も一人ずつだし、ずっと一緒にいることなんてできないけど、でも一人じゃない、だから怖くなんてない。

 

『"煌めき"のような人生の中で

君に出逢えて僕は本当によかった

街を抜け海に出たら 次はどこを目指そうか

僕らはまた出かけよう 愛しいこの地球(せかい)を』

 

そんな失敗をしても、まだ成功なんてしていなくても、"煌めき"と呼べる人生で仲間に出会えたこと、目標に届いたら次を目指そうと思えること。

そんな仲間の大切さをひしひしと伝えてくれる歌詞です。

 

この曲は「映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」のタイアップ曲なのですが、この映画のテーマは「仲間」と「冒険」。ぴったりの歌詞です。しんちゃんが風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんの春日部防衛隊でB級グルメの未来を救う、という映画です。RPGの「僕ら」とは我々リスナーであると同時に彼ら5人のことでもあるのでしょう。

 

しかし、僕は「僕ら」とは文字通りセカオワのことでもあると思います。この曲はセカオワの初めての共作で作られた歌詞であり、サビがSaori、それ以外がFukaseの詞です。この二人が喧嘩して、Saoriが家出したときに書いた歌詞がこの曲だそうです。Saoriが家出しながら仲間の大切さを歌詞にし、その歌詞に目標に向かい続けることを書くFukase。まさに「仲間」であることが表れていると思います。

 

さらに、僕はこのブログを書きながら、2015年に行われた日産スタジアムでのライブのMCを思い浮かべていました。コンテストに出てビリだったり、ベースもドラムもいないことを貶されたりしたことを話すFukase。しかし、「でも僕は今、日本で一番大きなステージに立っています!」

これこそ、「大切な何かが壊れ」ても、「海を目指し歩」き続けて、「"煌めき"のような人生」になる。これこそ彼らの全てが詰まったMCだと思うんです。そしてその後に続いたのが、ENTERTAINMENTよりFight Music。

 

『僕らがいますぐ欲しいのは「ソレ」から逃げる「理由」なんかじゃなくて

僕らがいますぐ欲しいのは「ソレ」と戦う「勇気」が欲しいんだ』(Fight Music/SEKAI NO OWARI、作詞Fukase)

 

こんな歌詞の曲に続きます。逃げるんじゃなくて戦いたい。その勇気が欲しい。この曲は「RPG以前」の曲です。これからもわかるように、セカオワは別に根っこの部分では変わっていないんだと思うんです。RPGカップリング曲、アースチャイルドでは、

 

『変わらないために僕らはいつまでも変わり続けるよ』(アースチャイルド/SEKAI NO OWARI、作詞Saori)

 

という歌詞があります。根っこの部分で変わらないために、あらゆる部分を変え続けているのでしょう。歌詞やメロディのイメージが変わっても、見た目や売り出し方が変わっても、それは根本を変えないために行っているのでしょう。ターニングポイントとは言いつつ、何も変わっていないのかもしれません。

 

ここまで長々と語ってきてしまいました。ほんとはもうひとつのターニングポイントだと思っていたDragon Nightについても書こうと思ってたけど今日はここでおしまい、またの機会に。ここまで書いているうちに、ブログでは成田凌に先を越されました。去年のM-1グランプリで言えば東京ホテイソンの順番をとられたことになります。僕にとって1番好きなネタだったので悔しい。でもいい文章だったし、何より前回のブログで僕の文章を褒めてくれたので許すしかありません。この文章がいつ公開されるかは編集長ほっちと神のみぞ知るところではありますが、プレッシャーのかからない順番になっていることを祈るばかりです。ここまで書いておいてなんですが、自分の文をスクロールするとどうしても薄っぺらい文章にしか見えない。どうしよう。後悔したら編集長ほっちに頼んで削除してもらうかもしれません。

 

それではこの辺で、ごきげんよう。最近聴いてないなって人も、毎日のように聴いてるぜって人も、なにそのバンド?って人も、よかったらセカオワを聴いてみてくださいね。

 

 

執筆:たっきー

文責:発地